2016年6月9日木曜日

試される大地


こちらで地元の人と知り合いになると、「日本のどこ出身なんだい?」と聞かれることもある。とはいっても真面目に答えたところで、尋ねてきた本人が知っているのは、東京と京都くらい、ということが多くて、北海道といってもピンとこない人の方が多い。自分だって、こっちに来る前は。マンチェスターとかヨークが地図上のどこにあるかなんて絶対に答えられなかったし、まあそんなもんだろうと思っている。ただ、「聞いたことないなあ」といわれ続けるのも、やや物悲しいので、いつからか、「日本の北にある大きな島の、雪深い街の出身です」と答えることにしていた。

今日もたまたま最近知り合いになった人と雑談する機会があって、出身地を聞かれたんだけど、いつもとやや違った展開になった。

イギリス人:「日本のどこ出身なんだい?東京かい?」
私:「東京にも長く住んでたけど、出身は日本の北にある大きくて雪がたくさん降る島です」
イ:「あ、知ってるよ。北海道でしょ?」
私:「そうですよ。北海道、よくご存じですね。」
イ:「そりゃそうだよ。あの行方不明だった少年が無事見つかったところでしょ?クマにさらわれたんじゃないかって、心配していたんだよ。」
私:「…確かに、こっちでもたくさんニュースで取り上げられていてびっくりしました。北海道のクマは凶暴なんで危険なんですよね」

確かに、例の少年の話は、こちらではすごい話題になっていて、退院して「お父さんを許します」という所も含めて続報を続けているようだ。きっと、今日話したイギリス人も北海道のクマが凶暴なことも含めて、ニュースで聞いたのだろう。

BBC: Japanese missing boy Yamato Tanooka found alive in Hokkaido
http://www.bbc.co.uk/news/world-asia-36441612


しかし、こんなところで北海道のクマの話になるとは思わなかった。思わず、ラーメンズの「住民の半分がクマ」というネタを思い出してしまい、続けて北の国からの五郎の声真似で「試される大地」というシーンも思い出してしまった。確かに、大和君にとっては見つかるまでは試される大地だっただろうし、色々と謝って回らなければいけないお父さんにとっては、今が試される大地だろう。

ともかく、今後は自己紹介をするときには、「ミラクルボーイ、ヤマトが生きて帰ってきた北海道の出身です。もし、遊びに来ることがあったらクマに気を付けてください」ということにしようと思う。

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