2016年2月6日土曜日

ロンドンの駅(2):Piccadilly Circus


Piccadilly Circus は、ロンドンの中心部、ソーホーと呼ばれる繁華街の中心的な駅の一つである。地下鉄駅を出ると、目に入る大きな広場と電光掲示板がランドマークとなっている。ロンドン在住の日本人にとって Piccadilly Circus は、よく訪れること駅の一つに違いない。というのも、Japan Centre と呼ばれるロンドン最大の日本食材・日本製品のお店があるからである(少年ジャンプや海苔巻き用の簀巻きまで手に入る)。その他にも、ラーメン屋や日本の文房具を売っている店、果てはカラオケ屋まであるので、まさに日本人のオアシスといえる一角である。

Piccadilly Circus: 中央左に見えるのがエロス像 (画像はWikipediaより)

さて、このPiccadilly Circus、駅名に Circus と入っているが、別にこの駅で降りても、曲芸師や玉乗りをしている象を見かけることはできない。この、"Circus" という言葉は、"Circle" の古い言い方で、大きな道路の交わる広場、という程度の意味らしい。確かに、Piccadilly circus の広場からは、もう一つの有名な商業地区である Oxford circus に繋がる大通りや、Trafalgar 広場に繋がる大通りが出ている。そして、広場の中心では、サーカスの象を見ることはできないが、代わりに「エロスの像」を見ることが出来るので、安心して観光に来てほしい。

では、Piccadilly という言葉の語源は何だろうか。個人的には、銀座や新宿にある映画館が語源だと思っていたが、もっと古い歴史があるようである。
調べたところによると、昔この辺りには、"Piccadill" と呼ばれる「襟」を売る有名な職人がいたらしい。この襟は一時期、たいそう売れたらしく、その職人は築き上げた富でこのあたりの土地を買うことが出来たようである(中でも、Piccadilly hall という建物が、ひと際有名になったらしい)。では、この Piccadill とはどんな襟なのか?Wikipedia を調べてみたが、「大きく広めで、カットワークで装飾された襟で、16~17世紀にはやった」とあるが、この説明だけではわかりづらい。そこで、画像検索すると、下のような写真が出てくる。

エリザベス1世とPiccadill
(画像はWikipediaより)
ああ、こういうやつ世界史の教科書でよく見かけたけど、これ、ピカデリーの語源なんだ。確かにこの時代の人、みんなこれ着けてたみたいだし、それはそれは儲かったんだろうなぁ。言ってみれば、ユニクロがはやって、「ヒートテック広場」とでも名前がついてしまったようなもの、と思うと、やや滑稽な話である(ちなみに、ユニクロは Piccadilly circus に店を出していて、ここで買い物をしている現地人をよく見かける)。


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