2016年2月28日日曜日

ロンドンのパブ・バー(1): Ye Olde Mitre


筆者は、鉄道の路線図や歴史が好きであるが、それと同じくらいかそれ以上にアルコールが好きである。こちらに来て新居も決まって早々したことは、本屋に行ってロンドンのパブを紹介したガイドを手に入れることだった位である。そして、手に入れた本が "Drink London: The 100 Best Bars and Pubs" という本である。こちらにいる間にすべて回れるかはわからないが、できる限り回って、ここで紹介しようと思う。



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第1回目の今回の記事では、Farringdon 駅近くの隠れ家パブ、 "Ye Olde Mitre" を紹介したい。このパブは、下の看板の写真にもある通り、1546年からあるといわれる歴史のあるパブである。ちなみに、この "Ye Olde" という文句はイギリスのパブでは見かける言い回しである。Wikipedia によると、意味的には "the old" と同じだが、中世英語っぽい言い回しで古めかしさを出すために使われる言葉のようだ。蕎麦屋が「○○庵」とつけたがるのと似たような感覚なのかもしれない。

Ye Olde Mitre の案内板。注意深く探さないと見つからない。

東京にも最近では隠れ家レストランと称する店はたくさんあるが、このパブの隠れ家度もなかなかである。下の写真はパブのある路地から出たところで撮ったものだが、入り口がお分かりになるだろうか?おそらく、ガイドなしにここにたどり着くのは至難の業であろう。

街灯のあたりにパブに通じる路地があるが、ほとんどわからない。

さて、この歴史あるパブ、 "Ye Olde Mitre" であるが、1546年の開業当初は、ケンブリッジ州 (Cambridgeshire) イーライのビショップ(高位聖職者)が土地を持っていて、パブの近くに彼のお屋敷があったそうである。その名残からか、店の看板には聖職者の帽子があしらわれているほか、2階の貸し切り用の部屋は "Bishop's room" と名前がついている。
"Drink London: The 100 Best Bars and Pubs" によると、このビショップのお屋敷は、ロンドンのシティで犯罪を犯して逃走中の極悪人たちをかくまった、という伝説があるそうだ。そして、「今でもかくまってくれるか試そうとしない方がいい」との注意書きもあったので、よい子はマネしない方がいいだろう。

パブの看板。ビショップの帽子だと思われる。

2階にはBishop room という貸し切り用の部屋がある。

やや不思議な内装。陶器製のウィスキーボトル?がぶら下がっている。

隠れ家にもかかわらず、金曜の夜は超満員であった。エール・ビールグラスを片手に、中世の聖職者や極悪人に思いをはせると、イギリスの歴史がより身近になるかもしれない。


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Ye Olde Mitre
http://www.yeoldemitreholborn.co.uk/#
最寄り:Farringdon 駅または Chancery Lane 駅
おすすめ:各種エールビール

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